残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法を読んだけどすごく興奮した

こんにちは。いっとくです。

越後湯沢という山に囲まれた土地で本ばかり読んでいるのですが、今回読んだ本は橘玲さんのこちらでございます。

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
(著:橘 玲 出版:幻冬社)

一味違う自己啓発本です。

かなり好き。何が良いって読んだ後のどうしようもない感ですね。

確かに読むとやる気が湧いたり自分でも変われそうと思えるような本というのはあるのですが、これを読むと何が現実的かというのがはっきりわかります。

そして絶望。笑

少し話が散らされすぎていて結局なんだったのかよくわからなくなってしまいそうな内容だったので、僕なりの解釈をメモがてら書き残していこうと思います。

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残酷の世界とはどういう世界のことか

「残酷な世界で生き延びるためのたったひとつの方法」というタイトルなので何が残酷な世界でどうやって生き延びるのかを解釈しなくてはいけません。

そこでまずは残酷な世界とは何なのかという話から。

本書で描かれている残酷な世界というのは紛れもなく私たちが生きている世界。そしてその現実的な側面なのです。

夢を見ていたい人は読まないほうが良いor読んでも自分のこととして受け止めずに文句を垂れ流しにしてから綺麗さっぱり忘れてしまうのが良いと思うような内容なので注意が必要。

まず残酷な世界とは複数の見方があるのですが、簡単に言うと頑張っても報われない世界という意味です。

本書はかなり進化心理学の視点から書かれていて、人間は遥か昔からゆっくりと時間をかけて進化を遂げていて、その実態は現代の生活に適用するようにできていません。

さらには、頑張ってもできないものはできないのです。

これは自分の感覚にもかなりしっくりくることでもあるのですが、僕は運動があまり得意ではありません。

めちゃくちゃ悪い訳ではないけど、そこそこ運動ができるやつとスポーツで優劣をつけるとなると相手が全く努力していないという条件と自分が結構頑張っているという条件が重ならないと勝てる気がしません。

逆に勉強はほとんどしなくても平均より下回ることはほとんどありませんでした。

つまり、人によって得意不得意があるというのは皆さんも当たり前のことに思っていると思いますが、そもそも不得意な分野というのは頑張っても報われないというのがこの本での主張。

そんな自己啓発本としては本も子もないような前提が、この本の主軸にあります。

進化心理学に基づいた知見では、人は知能や運動能力だけでなく性格さえもほとんどは遺伝の影響と言われています。

これはあらゆる環境で育った一卵性双生児の類似点を追ってみるとわかるそうです。

日本では双子がバラバラに育てられることはあまりないけど、海外ではそういう事例も数多くあって、それを調べた結果あまりにも大きな遺伝の影響がわかったそうです。

つまり人は遺伝によってほとんどの能力が決められており、努力は報われないし自分を変えることもできない世界と言うのが本書でいう「残酷な世界」なのです。

生きていくためにはお金が必要だが好きを仕事にしたいというジレンマ

日本の社会でもどんどん成果主義の考えが普及しています。成果主義は結果が全ての厳しい社会というイメージですが、実際は違います。

成果主義というのは成果という自分の努力でコントロールできそうな部分を評価している訳で、出身や性別、年齢など努力ではどうしようもない部分での差別がされないだけ優しい社会なのです。

この成果主義ですが、成果によって報酬が決まります。

生きていくためには当然お金が必要な訳で、人は遺伝によって生まれつき能力が決まっているとしたら、結局成果主義は残酷な制度なんじゃないかという意見もありますよね。

しかし、他人と比べてあらゆる能力が劣っていたとしても、比較優位という考え方でなんとかなります。

比較優位は貿易なんかでよく使われる概念ですね。

要するに人ができることには量的な限界があります。だから各々が自分の得意なことをやって不得意な分野を人に任せることで総合的な生産性が上がるという考え方です。

うまくできている世の中ですね〜。

ところで最近よく好きを仕事にするという言葉がインターネットの普及とともに広がってきたと思います。

これってすごく残酷なことなんですよ。

だって好き嫌いは自分の意志ではどうにもなりません。しかし、自分の好きがどれくらいお金になるかというポテンシャルは決まっちゃってる訳ですから。

しかし、この好きを仕事にするができない場合は、マニュアルに縛られたマックジョブというやりがいのない仕事でお金を稼ぐしかないという点もこの本の主張でもあります。

マニュアルにしばられた仕事ってきついですよね。今ホテルで働いているんでまさにそんな感じなんですけどマジで成長しないと思います。

これを簡単にいうと、お金を稼ぐためには好きを仕事にするか、歯車のように働くしかないけど、自分の好きがお金になるかどうかはわかりませんよということ。

しかし、インターネットの登場というのが、この残酷な世界で生き延びるための方法に繋がっていくのです。

残酷な世界で生き延びるためのキーワード

この本のキーワードは二つあります。

「伽藍を捨ててバザールに向かえ!」

「恐竜の尻尾の中に頭を探せ!」

???

さっぱり意味がわからないと思います。

一つ目の伽藍を捨ててバザールに向かえというのはムラ社会を抜け出してグローバルな世界を目指せということ。

伽藍というのは閉じられた社会のことで、バザールというのはグローバルに開かれた社会のこと。

人間には本質的に他者から認められたいという欲求があり、それが幸福に繋がるという。

お金もある程度のラインまでは幸福感をもたらすが、一定を超えるとその効果は落ちます。僕の給料が10万円増えたら大歓喜するけど、年収1億の人の給料が10万増えても何も感じないというのと同じこと。

そして、この伽藍の中というのはとりわけ他者からの評判を獲得するのが難しい。周りに迎合するしかありませんし、出る杭は打たれます。

つまり自分が好きではなく、周りに合わせるゲームになってしまう。

しかし、グローバルな社会ではこれが逆方向に向かいます。

一部の好きを共有できる仲間を見つけて承認欲求を満たすことができるのです。

しかし、先ほども述べた通り好きなだけではお金になるかわかりません。

そこでもう一つの「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」ができきます。

これはインターネット特有のロングテールの考え方に基づくもの。

例えばお店だったら、売れるものを仕入れて売らないと面積の限界があるから収益は上がらなかったけど、インターネットはそのスペースはほとんど無料で無限にあるため、品揃えが多ければ多いほどビジネスチャンスが増えます。

そして恐竜の尻尾の中に頭を探せというのは、自分の好きがニッチで、いわばロングテールの部分にあるとしてもインターネットの拡張性を考えるとそれを頭にすることができるという意味だと解釈しました。

つまりインターネットの登場によって、好きをお金に変えるチャンスが訪れたという考え方もできます。

この残酷な世界で生き残るたったひとつの方法とは、自己啓発や努力で自分の能力を向上させようとしても能力は変わらないのだから、自分の中の好きや得意をインターネットの特性を活用してマネタイズすることで幸福と生活を両立させる方法を考えるということなのです。

確かに自己啓発本としては、全くやる気が出るものではありませんでしたが、努力は響きとしては美しいけれど現実はもっと残酷なんだからそれに合わせた考え方をするのが一番いいよねと思わされました。

そんなわけで絶望感を味わえる自己啓発本でした

僕は比較的この本の内容が正しいと思っています。

だって確かに努力してできるようになることとならないことというのは今までもあって、それがどうにかなった経験もなかったから。

確実に自分の中に得意不得意があり、どうしようもないという現実に即した生き方をした方が生産的なわけです。

その分やってもできるようにならないのに、努力次第で能力は開発できることを謳うよりは優しいのかもしれません。

じゃあ具体的にはどうすればいいの?って話ですよね。

残念ながら本書にはヒントはあるけれども具体的な答えはありません。

でもそれは当たり前のことで、人が遺伝によってそれぞれの特性を持っているのであれば、一人一人解決方法は違いますからね。

そんなこともあって久しぶりに頭の中で考えながら読める本でとても面白かった!

考える力をつけたい人にはオススメの一冊です!

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