結末を読者に想像させる余白を与えるタイプの小説|色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

小説

こんにちは。いっとくです!

 

小説って色々なジャンルがあって人それぞれ全く違った楽しみ方ができると思います。

どんなに細やかに情景描写がされていても、読む人によって別の再現がされるわけですから。

だからこそ小説ってめちゃくちゃハマる人と全く読まない人がいると思うのです。

今回はそんな小説にまつわるお話。

 

最近、自分のブログを読み返していてある1冊の本のことを思い出しました。

その本とは「人たらしの流儀」なのですが、この本では小説を読むことについて他人と会話をする際の話題の一つになるし、自分の中に擬似的に経験を積むことができますよということで読書を勧められていました。

関連記事:表紙が怪しすぎる「人たらしの流儀」には対人関係のテクニックが満載でした

 

とりわけ話題になった小説は読んでおけということだったので、日本で一番有名な小説家といっても過言ではない村上春樹の小説にチャレンジ!

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
(著:村上 春樹 出版:文藝春秋)

 

めちゃくちゃニクい終わり方!

 

気になりすぎて夢に出てきそうです。

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あらすじ

主人公の多崎つくるはこれといって特徴をもたない男。

知り合いや友人関係が広いわけではないが、高校時代には偶然にも恵まれた人間関係を築くことができた。

しかし、あるとき急にその友人関係から追放され失意のどん底に落ちる多崎。

そこから16年が経ち、これといって特徴のない生活をしていた多崎は気になっている女性にその過去の出来事を話す。

そして彼女に勧められるがままに、過去に断ち切って蓋をしていた出来事を乗り越えるために旧友にあって行く。

そして、彼は出来事の真実を知っていくわけだが…

ということで感想!

まずは、全部読み切って思ったこと。

それは、、、、

 

面白いけど、ここで終わっちゃう!?終わっちゃうの??

 

余白がすごい。余白がすごすぎて未完の物語が夢に出てきそう。

 

僕の母は村上春樹の小説が好きで家にたくさん置いてあるのですが、僕は中学の時に授業で読書をしなきゃいけないという時にこの村上春樹の本を持って行って読んだのです。

もちろん中学生には面白みがわかるわけがない内容でした。

そして中学生にとって村上春樹の作品ははもはやエロ本です。

 

そんな体験を通じて村上春樹=自分の好みではないというイメージがついてしまっていたのですが、大学に入学したころちょうどノルウェイの森が映画化。

 

そこで再度村上チャレンジ!

 

…やっぱりよくわかんねー!

と、2度の村上挫折を味わったのですが、急に興味が湧いたので3回目のチャレンジ。

 

2連敗中の僕にとっては結構ハードルが高いですが、この「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は個人的にかなり読みやすい本だと思いました。

なんというか話の筋がわかりやすいというか、なんとも言えない世界観に引き込む村上春樹ワールドとは少し異なっていて、展開が想像しやすいというかスッと入ってきます。

 

思わずスイスイ読み進めれるような。

でも文章のあらゆる部分に、グッと来てハッとさせられる表現が散りばめられているのです。

もともとそんな表現を見たことも想像したことないのに、実際に見たことがあるかのように具体的にイメージさせられるという不思議体験。

スッと情景が頭に浮かびます。

 

かなり賛否両論ある本書ですが、僕は結構好きですね。

逆に村上春樹のあのボヤッとした雰囲気が好きな人には違和感を感じる作品なのかもしれません。

 

とにかく小説をほとんど読まない僕にとっては読みやすくて面白い小説だったぞー!

短くはないのですが、一冊で完結しているのもいいですね〜。

 

これからも定期的に小説は読んでいこうと思います。

 

以上、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の読書感想文でした!

おしまい!

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