こんにちは、いっとくです。
何かしらの具体的で大層な目標があるわけではありませんが、とにかく優秀なエンジニアになりたいと思い、いろんな本を読んだり、コードを触ったりしています。
じゃあ優れたエンジニアとは一体何なのでしょうか?
美しいコードが書ける人?
難しいロジックを思いつく人?
誰も思いつかないような解決策を見つける人?
うまくチームを動かすことができる人?
何でもできるジェネラリスト?
代替不可能な能力を持つのスペシャリスト?
この手の話は往々にして絶対的な答えはないのですが、個人的にはスペシャリストというものに興味が湧いている次第であります。
そしてエンジニアのスペシャリストといえば、別名ハッカーと呼ばれています!
ハッカー!かっこよすぎる響き!
何やら黒い画面を叩いて、堅牢なセキュリティを突破する、そんなイメージが強いですよね。
しかし、実際のハッカーというのはそういうものではありません。(そういう人もいるかも知れませんが…)
ほとんどのハッカーは、強烈な好奇心を持ったオタクなのです。
そんなハッカーの一人であるポール・グレアムのエッセイがこちらです。
いやー、かなりエンジニアとして頑張りたい欲が燃え上がる本でした!
まず、表紙のバベルの塔がなんかイケてるし、触り心地もいいし、読みやすそうな丁度いい厚さだしで、かなりパッケージから響いてくるのですが、内容もまた素晴らしい!
洞察に富んでおり、正直でハッとさせられる内容です。
序盤でエンジニアの仕事は科学者のように決められたものをシステマチックに組んでいく仕事ではなく、白いキャンバスに思い思いの絵を書いていく画家のような職業なのだ的なメッセージがあるのですが、これで一気に心を掴まれました…!
たしかにエンジニアは論理的思考に基づいてプログラムを書いていくという点ではある種システマチックな感じの印象を抱きがちですが、たしかにそのシステムを実現するためには、様々なプログラミングのパラダイムや、設計、テクニックに至るまで色々な組み合わせが存在しており、ライブラリを使うにしても独自のビジネスロジックを再現する場合は、自分で創っていく作業になります。
それを画家のような仕事であると表現することで、今まで思っていたけど気づいていなかった部分を言語化してくれたような感じがして、改めて自分がやっているエンジニアという仕事というものへの向き合い方が変わるような内容になっているのです。
この著者はLISPというあまりメジャーでない言語を使うハッカーで、本書のうち30〜40%くらいはLISPを推すために書いているんじゃないのか?ってくらいのLISP愛に溢れています。
そして、その隙間から覗く、エンジニアとして働くことの喜びや心構えというが非常に突き刺さる名著だなという1冊でした!
この本はいくつかの章に分かれており、それぞれが独立した短いエッセイになっているのですが、中でも4章の「富の創りかた」はしばらくバイブルになるんじゃないかなと思った程です。笑
その内容はこういうもの。
人々はお金を稼ぐために働くが、本当に欲しているのはお金ではない。
お金というのは、それぞれが生産しているものを交換するための媒体として存在しているものであり、結局はそのお金を使って交換したいものを欲しがっている。
その欲しがる対象のことを富といいます。
富を生み出すことで、世の中に便利なものが増えて、世界が少しだけ豊かになります。
そして、エンジニアというのはプログラムを買いてお金を稼ぐわけですが、本来の目的はお金を稼ぐことよりも富を創ろうぜっていうのがこの章の概要です。
そして富を創ることで、少しだけ世の中が豊かになります。エンジニアはそういう道具をプログラミングで作り出す職人であり、富を創ることに喜びを感じるものなのです。
そして富を創ることに喜びを感じるからこそ、1%のひらめきと99%の努力を可能にし、偉大な成果を残すことができるようになるということなのです。
もう、ほんとにね、今すぐ富作りてぇ…!ってなります。
出てきたアイディアをドンドン形にして、使ってもらって喜びを感じてぇ…って思わされます。
この「ハッカーと画家」は論理的思考を武器に機械でものづくりをするエンジニアの人間臭く熱い部分を集めたようなエッセイでした!
めっちゃ面白かったし、事業会社でサービス開発することにも興味が湧くし、自分で何かを創ることにも興味が湧くというかすぐに動きたくなる。そんな本でございます。
エンジニアや自社にエンジニアを抱えて商品開発する会社の人は一読しておくことをおすすめします!
エンジニアは熱い気持ちになるし、非エンジニアはエンジニアの気持ちがわかるようになると思います!
以上、いっとくでした!
さようなら!
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