「しくみがわかる 池上彰のやさしい経済学1」の書評|4年間大学で何を学んでいたんだろう

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こんにちは!経済学部出身のいっとくです!

 

僕は大学では経済学部に通っていました。

授業はそんなに真面目に受けていたわけではありませんが、とりあえず代筆とかはせずに真面目に講義に参加し、しっかり居眠りをするタイプの学生でした。

その結果、中途半端に経済の用語とかは知っていたりしますが、詳しい内容は知らないし、それがどんな背景から生まれた理論なのか知らないし、諸々の情報をバラバラにインプットしてるせいで繋がりがよくわからないしで、とにかくヒドい虫食い状態の知識を抱えています。

うん、けしからん!

 

しかし社会に出た身としてはやっぱり最低限のことは知っていないと、世の中の動向もわからないし、何よりも自分で物事を考えるための土台が作れないなぁということで、たまに気が向くと経済系の本を読んだりしているわけです。

 

それが積み重なって、より広範囲で虫食いだらけの知識が蓄積するという失態。

 

それでもめげずに久しぶりに経済系の本を読みました。

しくみがわかる 池上彰のやさしい経済学1
(著:池上 彰 出版:日本経済新聞出版社)

 

わかりやすいことでおなじみジャーナリストの池上さんの本でございます。

前編後編で二つに分かれているうちの前編です!

 

やっぱりわかりやすかった。

 

そして同時に経済学部として大学に入って4年間何をしていたんだろうという気持ち。

A.ダンスばっかりしてました。

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経済学の基礎がわかる本

この本の素晴らしいところは、経済学にはケインズやマルクスなど色々な流派の考え方があるのですが、その考え方が生まれた背景が流れに沿ってわかりやすく説明されているところにあります。

 

例えば大学のテキストだと、経済学ではこうこうこういう考え方や理論があってその内容はこんな感じです。以上!

みたいな覚え方をするので、結局その理論の意味がわかってもなんでそういうふうな考え方になるのかという部分が非常にわかりづらい。(もしかしたらちゃんと話を聞いていなかっただけかもしれないが。)

 

結果、ただの暗記になっちゃうんですよね。そういう教育されてきちゃってるのもありましたが。

 

だからこそこの本は読んでいて話と内容がスラスラ頭に入ってくるし覚えやすい!

どうやら、この本が京都造形芸術大学の一般教養の客員教授として作った授業を元に書かれているそうです。

経済学について全く興味がなさそうな人たち向けに作っていることが、僕みたいな中途半端経済学マンにうまくフィットした感があります。

 

中でもフリードマンという新自由主義の旗手と呼ばれていた経済学者の考え方がとびきりしびれました!

フリードマンの新自由主義について語る

フリードマンは最高に刺激的な考え方をします。

とにかく今まで当たり前に政府が行ってきた政策や規制をこんなものいらないと言って切り崩していくところに爽快感を覚えます。

 

多分ホリエモンとかキンコン西野の考え方に共感を覚える人はしびれると思います。笑

 

ざっくりいうと、政府が規制をかけることでみんな不幸になっているかもよ?というお話。

 

例えば関税をかけることで国の産業を守っていると思っているけど、守られているせいで産業がどんどん競争力を失っていく。

例えば最低賃金があることで労働者の権利を守っていると思っているけど、最低賃金以下じゃないと雇えない企業が雇用を控えるから本来働けたであろう人たちが失業する。

例えば医者は免許制にしているから安心して病院を使えると思っているけど、そのせいで専門知識がなくてもそこまで問題ない軽度な怪我や病気にも時間を取られてしまい、結果として重篤な患者を救う時間が減っている。

 

などなど、常識を切り崩す刺激的な考え方を提唱していてここが個人的には抜群に面白かった。

大学のテキストにしちゃえばいいのにという本

本当に大学生なんてほとんどテキスト見ないわ授業聞かないわで悲惨な状況なんだからこういう本を読むという授業にしちゃえばいいのにと思いました。

でもそんなんだったら大学通わんで本読むわな。

 

とりあえず4年間授業中にしっかり昼寝した分のツケを少し取り返せたんじゃないかな。

なんだか文化的な気持ちにもなれました。よかったよかった。

 

後編の感想はこちら:仮想通貨が盛り上がっている今読むとちょうど良い本|池上彰のやさしい経済学2

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