こんにちは、いっとくです。
感想を書くのが大分遅くなりましたが、年末年始に時間があったので何か1冊技術関連の書籍を読もうと思って、こんな本を読んでいました。
僕自身はWebエンジニアなので、普段の業務でネットワークやインフラに関わる機会はあまりありません。
とはいえWebアプリケーションもネットワークの上で動いていますし、クラウドでサーバー運用する時に関係ある知識だったので、最低限は学んでおく必要があるかと思い、こちらの書籍を購入。
まず読んでみた感想ですが、間違いなく名著です。名著!
まず僕自身がネットワークの知識をそこまで持っていなかったため、最初から最後まで学ぶことが盛りだくさんだったので、読後には「知識増えたなぁ」という満足感がすごかったですね。
そしてタイトルにもある通り本書はストーリー形式で進行していくのですが、このストーリーがめちゃくちゃ良かった!だいたいこういう本ってストーリーがメインなわけではないので、良くも悪くもない当たり障りのないストーリーになりがちだと思うのですが、エンジニアの共感を呼ぶ秀逸なストーリーだったと思います。
本書を読んで学べること
本書からはネットワークの基本部分の知識と問題解決の手法を学ぶことができます。個人的にはこれにプラスしてエンジニアとしての働きがいやモチベーションの部分も学べるのではと思っていますが。
まず本書のターゲットですが、これからネットワークエンジニアとしてやっていくぞ〜という新人さんをターゲットにしています。
ストーリーの主人公はこれからネットワークエンジニアとしてキャリアをスタートしようとしている女の子です。
いくつかの章に分かれているのですが、各章の冒頭でネットワークに関するトラブルが発生します。
そしてその章の中で、主人公と先輩のやり取りからそのトラブルに関係するネットワークに関する知識の解説が展開され、最後にそこで学んだ知識を使ってトラブルを解決するという流れで進んでいきます。
OSI参照モデルに基づいて、物理層・ネットワーク層・トランスポート層・アプリケーション層などの各層がそれぞれ何をやっているのかを学ぶことができます。プラスで無線LANとロードバランサーのような負荷分散についても登場します。
どの章もわかりやすく、今まで雰囲気で使ってたサブネットマスクとかルーティングテーブルとかの知識が明快になりました。
また、本書がすごくよいと思ったのは問題解決の手法が学べるというところ。
エンジニアになりたての頃は、とにかくたくさんの知識を詰め込めばどんな問題でも解決できると思っていましたが、エンジニアは知識を増やして問題を解決するのではなく、問題解決の手法を学んで未体験の問題を解決できるようにするべきです。
そして本書はストーリーになっているが故に、この問題解決の手法というのも一緒に学べるというのが非常に優れているポイントの一つだと思いました。
これからネットワークエンジニアになるという新人さんであれば、この問題解決の手法はできるだけ早い段階で身につけるべきスキルだと思います。このスキルが知識とセットで学べるなんて、これを手にした駆け出しネットワークエンジニアはラッキーですねぇ…!
そして章を乗り越えるごとに成長していく主人公。この主人公の行動の中に、エンジニアがやりがいを感じる瞬間やモチベーションを感じるエッセンスが詰まっており、おそらくWebエンジニアなど他のジャンルのエンジニアが読んだ時に共感の嵐を呼ぶこと間違い無しの内容になっているのです。
僕が好きな部分は4章のトラブル解決後のストーリーで、トラブルを解決し、終電間際の電車で帰宅しているシーンです。
終電ギリギリに間に合った成子は、ネットワークの本を取り出して読み始めた。今は猛烈に勉強がしたかった。
ストーリーで学ぶネットワークの基本 P215より
確かに自分の力が及ばずという時に、もっと成長したい!という欲求が湧いて、今すぐ勉強したい!って思う瞬間ってエンジニアならある気がするんですよ。
あと、6章終わりのシーンもなかなかいいです。
成子は、トラブルが解決したことを服部に報告するとともに、ネットワークにつながる喜びに酔いしれていた。
ストーリーで学ぶネットワークの基本 P308より
トラブル起きていた時は頭からシューシューという音が出てるんじゃないかってくらい苦しむのに、解決した瞬間の快感は忘れられないですよね〜。
そんなシーンが節々に出てくるのですが、そのことからネットワークの基礎や問題解決手法以外にも、エンジニアの楽しさや苦労やモチベーションの上がる瞬間など、エンジニアとしての働き方を知ることができるという部分でもかなり刺さる内容でした!
新人ネットワークエンジニアにも、ネットワークを学ばないとと思っているWebエンジニアにもおすすめできる名著だと思います!
以上、「ストーリーで学ぶネットワークの基本」を読んでみた感想でした!
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