じんわりと心が温まる…|瀬尾まいこの「君が夏を走らせる」が

小説

いっとくです!

今日は仕事が休みということで、久しぶりに小説を読みました。

 

君が夏を走らせる
(著:瀬尾まいこ 出版:新潮社)

 

いやぁ〜よかった。とてもよかったよ。

 

小説はたまにしか読まないんですが、、、、よかったよ〜。

 

僕が瀬尾まいこさんの小説に初めて出会ったのは中学生の時。

当時の国語の先生が授業の最初の5分を使ってオススメの本を読み聞かせをするという時間がありました。

 

当時全く読書に興味がなかった僕。

道徳か何かの授業で1時間使って読書をするという時間があったのですが、本を買うのが面倒臭すぎるという理由から、その時間では無料でもらった聖書を読むというの訳のわからない中学生でした。

 

それほどまでに読書に無関心だった僕も、その国語の先生がピックアップして読んでくれた本はすごく面白かった記憶があります。

当時の中学生ってゲームやってばっかで読書に興味ある人なんてほとんどいなかった気がするのですが、それでも買う人がいるくらいその先生のピックアップした本は面白かった。

その時の本に瀬尾まいこさんの「温室デイズ」という本がありました。

正直内容は覚えていませんが、当時面白く感じていたことはなんとなく覚えています。

 

そんなこともあり、ふと見かけた「君が夏を走らせる」に興味を持ったわけです。

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単調だけど終始心がほっこりする優しいストーリー

この小説のあらすじをざっくり話すと、主人公は不良の高校生。

ある時先輩から1ヶ月間だけの子供のお世話のバイトを頼まれていやいや引き受けるも、どんどん子供の魅力に夢中になり、やがて自分の心の中に変化が現れていく…

 

というかんじなのですが、終始穏やかなテンポでストーリーが展開していきます。

事件もないのでハラハラすることは何もない。

 

映画にしたらめちゃくちゃつまらない作品になると思う。

 

それでもめちゃくちゃ引き込まれるのです!

なんというか、心情の変化がとても丁寧で、表現がみずみずしいというか。。。

 

この話をここまで引き込ませる内容で書けるってすごいなぁ。

 

特に子供が好きなわけでもない主人公ですが、次第に子供のことを考えるのが中心の生活にだんだん変わっていきます。

すると最後の日が近くに連れて、なんとも言えない気持ちになっていくのです。

 

その変化を見ているだけで心温まります。

読んだ後に残る余韻

読んだ後に残る余韻がすごい。

 

多分蒔いた伏線が回収されていないからだと思う。

 

本を出版するなら何度も自分で読み直して推敲していくだろうから、回収し忘れというわけではなくあえてなのでしょう。

 

え〜これこの後どうなったんだろうということは自分の頭で補うしかないのです。

 

そのおかげで、日本のどこかに登場人物たちが本当に住んでいるんじゃないかという錯覚すら起こすレベル。

 

正直どちらかというと子供が嫌いな僕ですが、この本を読んだ後にお店でギャアギャア騒いでいる子供を見かけても「フフフ」と思いながら暖かい目で見守ることができるようになりました。(完全に不審者)

 

心温まるストーリーでありながら、読み終えた後のさっぱりとした切なさはなんとも言えないですね〜。

 

このなんとも言えないフワッとした終わり方ができるのが、小説の良さなのかもしれない。

映画になっても絶対見ないと思うけど、すごく心に残る小説でございました。

 

おしまい!

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