BtoBでIT商材を扱っている営業マンのための教科書|キャズム Ver.2

キャズム 表紙ビジネス書

こんにちは、いっとくです!

今はもう営業マンではないですが、教養の一つとしてかつてアメリカで一斉を風靡したマーケティングのバイブルを読んでみました。

キャズム 表紙
キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論
著:ジェフリー・ムーア 訳:川又 政治 出版:翔泳社

Ver.2となっていますが、事例を刷新して内容を少し補強してあるくらいで、基本的には一番最初に出版されたものとほぼ同じ内容らしいです。

ちなみにその初版は1991年ということで僕が生まれるよりも前から存在している内容です。パイセン…。

ってことで、改定が重ねられつつも30年間ずっと売れ続けている本ということで、今でも通用する内容になっております。

おそらく以下のテクノロジー・ライフサイクル図を見たことあるよという人はいっぱいいることでしょう。

テクノロジー・ライフサイクル
テクノロジー・ライフサイクル

まぁこんなフリー素材が見つかるくらいなので、かなり有名だと思います。

これは市場に製品が普及するまでにどのように受け入れられていくかを表しているモデルです。

それぞれのフェーズにはそれぞれの特徴を持ったユーザーが存在していて、イノベーターに売れたらそれを実績にして、アーリーアドプターに売るということを繰り返し、アーリーマジョリティー→レイトマジョリティーと次のグループにコマを進めることで市場に普及していきます。

また企業が大きな利益を得るためには、メインストリーム市場と言われている、アーリーマジョリティーとレイトマジョリティーのグループにアプローチする必要があります。

ラガードは一定数いる全く反応を示さないそうなので、ここに売ることは想定していません。

ちなみに本書内ではアーリーアダプターではなく、アーリーアドプターと翻訳されているので、この記事でもアーリーアドプターで統一していこうと思います。

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各グループの間にはキャズム(溝)が存在する

グループごとに名前が分かれている通り、それぞれのグループごとに異なった行動特性を持っている人が存在します。

ざっくりした特徴は以下のような感じです。

グループ特徴
イノベーター技術的に優れていないと買わない。技術オタク。
アーリーアドプター改革を起こしたい。価格とかあんまり気にしないが要求が多い。
アーリーマジョリティー現行のオペレーションを改革したい。マーケットリーダーから買いたい。
レイトマジョリティーみんな使ってるなら使いたい。価格的に安いと嬉しい。
ラガード絶対に使わないマン。今でもバリバリFAXを使ってる。

グループによって特徴や刺さるポイントが異なるので、対照グループによって戦略を変えていかないと売れないわけです。

そのため次のグループに移行しようとする際に、そのグループ間の亀裂に落ち込むことがある。

そしてこの亀裂こそがキャズムであり、特にアーリーアドプターからアーリーマジョリティーへの移行の際に特に大きな亀裂が存在しています。

キャズム 図

このキャズムを超えるのが難しく、数多くの企業がキャズムを超えることができずに市場から去っていきました。

そして本書はこのキャズムを超えるための本となっています。

邦題は「キャズム」ですが、原題は「Crossing The Chasm(キャズムを超える)」となっています。

キャズムを超えるためには

キャズムを超えるために大事なことは以下のポイントにあります。

  1. 適切なセグメンテーションを行って市場を獲得する
  2. ホールプロダクトを構築する
  3. 競争を作り出す

まずひとつ目の適切なセグメンテーションですが、これは最初からマスを狙うのではなく、自分たちがトップに立てる市場を狙うということです。

ただ、小さいほど良いわけではなく、次の市場を狙うための先行事例になる程度には大きく、自分たちがリーダーになれそうな市場を見つけて、その市場を攻略しないといけません。

2つ目のホールプロダクトを構築するというのは、自社のサービスだけではなく、顧客の求めているものを満たすために、サービス全体として良いものを提供するという考え方です。これを制するものが市場を制します。

消費者向けですが、わかりやすいのでスマホを例に出すと、スマホってスマホだけあれば良いわけじゃなくて、通信インフラとか中に内蔵させるアプリケーションとか外部アクセサリとか色々あって、やっと使いたいものに変わりますよね。そういう形で総体としていいサービスになることが大事よっていう意味です。

3つ目の競争を作り出すという点ですが、これは読んでいて目からウロコだったのですが、アーリーマジョリティーに属する人たちは購入するにあたって、比較検討を行ってどれを採用するか決定するという特徴があります。

そのため、代替手段との比較が生まれないとこの層は購入に至らないのです。

本書ではこのようにキャズムを乗り越えるための具体的な戦略が様々な視点から語り尽くされています。

僕は今エンジニアなので、マーケティングに業務で関わっているわけではないのですが、IT業界に関わるものとして教養の一つとして知っておいて面白い内容かなと思います!

マーケティングや営業ですって人はかなり役に立つのではないでしょうか。特にベンチャーであればこれからきゃずむこえるぞーって感じだと思うのでね。

以上、いっとくでした!

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