本当の教養は知識を詰め込むことじゃない|世界のトップスクールが実践する考え方の磨き方が良書すぎた

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こんにちは。いっとくです。

 

教養ってすごい大切だと思いませんか?

すごい大事ですよ、たぶん。社会人1年目の時からずっと興味あったけど、そもそも教養ってなによって話。

経済の知識を詰め込むこと?英語が喋れること?人の心がわかること?それともたくさん本を読むこと?

 

確かにどれも大事ですが、結局のところそれらを使ってどうやって考えるかっていう「自分の頭で考える力」を身に付けることだと思うんです。

最強に切れ味がいい包丁があっても調理法を知らなきゃ意味がないでしょっていうハナシ!

 

そこで、とても考え方に興味があったので読んでみた本がこちらです。

ハーバード、オックスフォード…世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方
(著:福原 正大 出版:大和書房)

 

本屋に行くと似たようなタイトルの本をたくさん見かける気がします。

それだけハーバードやオックスフォードのネームバリューはすごいんでしょう。

 

最近発見したのですが、歴史上の人物にマサチューセッツ工科大学卒業とつけると一気におふざけムードになることがわかりました。

例)徳川慶喜:江戸幕府最後の将軍。マサチューセッツ工科大学卒業。

 

…ね?

 

そんなことはどうでもいいのですが、数あるハーバード、オックスフォード系の本の中でもこれを選んだのには大きな理由があります。

 

 

…安かったんです!泣

ブックオフで100円でした。安いって最高!

 

しかし、ブックオフは本の内容の良し悪しで値段を決めているわけではありません。

結果的にこの本は「考え方」についてすごくわかりやすく書かれており、現代人にとって必須の教養を学ぶことができる内容でした!

そこで、ちょっとこの本で学んだ内容と、本の中で取り上げられている問題についての自分の意見について書いていこうと思います!

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初めにグローバル人材としての日本人について

これは完全に僕の個人的な感覚ではあるのですが、日本人というのは謙遜する文化が根付いているためほとんど表には出しませんが、それなりの日本はすごいんだぞという自尊心を持っているように思います。

戦後の全てを失った状態から世界でもトップクラスの経済大国まで上り詰めた経験もあってのことか、最近は学力や企業の勢いが衰えてきているにも関わらず、いまだに心のどこかで優れた民族だと思っているように感じるのです。

 

それゆえにこの本の冒頭はすごく引き込まれます。

グローバル人材として日本人に欠けているものは何かという問いから始まるのです。

 

日本人のほとんどには英語通じません。その時点で少々難ありという感じはしますが、では英語が完璧に喋れたら世界で通用しますか?

答えはNOです。

確かに日本人は真面目でやさしいという人間性が評価はされていますが、だからと言って世界を引っ張って行くようなリーダーシップを発揮するのは非常に難しい。

なぜなら教養が足りていないから。

 

では必要な教養とは何なのか?

それは自分の持っている知識で世界の状況を読み取り、自分の考えとしてアウトプットする力、つまり自分の頭で考える力なのです。

 

そんな導入からはじまります。

心の中に自尊心を秘めた日本人が、グローバル社会では通用しないという事実を受け入れきれていないんじゃないかという思いを持っていた僕にとってこれはすごく引き込まれるイントロダクションでした。

 

日本の教育がインプット至上主義になっていて、高度経済成長の時代ならまだしも、現代で全く実践的じゃない考え方を学んでしまうことに問題がある気はするのですが、そうなってしまっているものはしょうがないです。

1億人が当たり前だと思っていることを変えるというのは、相当なエネルギーと時間がかかるので、そんな当たり前に疑問を持っている人はこの本を読んで考え方というのを学ぶのはかなりためになるんじゃないかと思ってます。

答えのない4つの問いと哲学の重要性

本書では考える練習という意味を兼ねて、なんどもこの問題について考えてみてくださいという問いを投げられます。

なかでも本書の核になる質問がこちらの4つ。

  1. 自由と平等はどちらが大事か
  2. 資本主義と社会主義はどちらが人を幸せにするのか。
  3. 政府は市場経済に介入すべきか、否か。
  4. 科学技術の進歩と自然保護はどちらが大事なのか。

どの問題も世界の難関大学などで出された問題。

深く考えるほど、難しい問題です。

自由と平等どちらが大事か

まず全ての質問において必要な考え方。

それはそれぞれが何なのかということをはっきりさせないといけないということ。

ここでは自由や平等とはそもそもどういったものなのかということ。

ちなみにすでにこの時点で答えはありません。

 

本書では様々な哲学者などの考え方を紹介して、考えることのヒントを与えてくれます。

自由と平等については、ジョン・スチュアート・ミルやイマヌエル・カントの考え方が紹介されます。

ミルの考える自由とは、他人の権利を侵害しない範囲で自分の好きなようにできること。

それに対してカントは道徳に基づいて行う行動と定義します。

僕はミルの考えに近いものだと思ったのですが、カントの考え方も面白いんです、これが。

例えば僕がラーメンを食べたくなったので、ラーメン屋さんに行ってラーメンを食べたとします。

一見自分の自由な判断でラーメンを食べたように思えますが、例えばその欲求自体がラーメンのニオイやポスターの写真などの外部の刺激によって引き起こされたものだとすると、それは本当に自分の内側から湧き出てきた意思なのでしょうか?

カントの考えではこれでは本当の自由とは呼べないというもの。

 

確かに理屈はわかるかもしれない。自分がやったと思っていたけど実はコントロールされていたとしたら確かに少し自由とは違うかもしれない。

 

ただし、やっぱり僕の中での自由はミルの考えに近くて、本当に自分の心から出てきた欲求であっても、外部要因によって刺激された欲求であっても、自分がしたくてしてるということは変えようのない事実だと思っています。

では自由と平等はトレードオフの関係なのか?

例えばパンが二つ販売されていて、買いたい人が二人います。

自由な市場であれば、お金持ちが大金を出すことによって、パンを独り占めすることができるが、貧乏人は飢えることになる。

平等な市場であれば、1人1個ずつパンが配られる。

一見すると平等な市場が良さそうに見えるが、ここには裏があって、このような平等のもとでは金持ちになる意味がなくなってしまい、社会としての活気がなくなり衰えて行ってしまうということである。

 

つまり自由と平等にはそれぞれ長所短所があり、確かにトレードオフの関係になっているのである。

だからこそ国家は自由と平等のバランスを調整していく必要があるわけです。

 

ちなみん僕の考えでは自由のバランスを強くしたほうがいいと思いました。

今の日本は累進課税があたりまえになっているけど、めちゃくちゃ稼いでいる人の収入の半分が税金って結構やばくないですか?

税率50%あたりになると流石に頑張る気力なくすか国外逃亡したくなると思います。笑

 

稼いでいる人はそれだけでも価値提供してるんだから、累進課税の重み付けをもう少し緩やかにすればいいのにと思う今日この頃。

資本主義と社会主義はどちらが人を幸せにするのか

ここでも資本主義と社会主義についてはっきりさせてから比較する必要があります。

 

ものすごく簡単にいうと、資本主義は市場の機能にある程度身を任せて経済を発展させるという考え方で社会主義は旧ソ連のような国が完全に経済をコントロールするという考え方。※本当にシンプルすぎる説明にしてるので詳しく知りたい方はググった方がいいです。

 

ここでの僕の考えはある程度政府が介入する資本主義を支持するというものです。

資本主義は市場に身を任せすぎると、市場の失敗という現象に陥ります。例えば公害だったり色々ありますが。

そこである程度流れを整えるような介入は必要だと思います。

介入を社会主義のレベルまでいってしまうとそれはそれで問題ですがね。

 

社会主義の国々はここ30年の間に次々となくなっていきました。

僕は社会主義は理想的な状態で経済を回せるのであれば、素晴らしいシステムだと思っています。

しかしそれはあくまでも理想で、その理想の状態が保てないことは歴史が証明している気がします。

もし、感情に左右されずに理想的な統制ができるようなAIでも登場すれば、社会主義による完璧な社会を作ることも可能かもしれませんが、そうでない限りは不完全でもある程度市場に身を任せるのが一番いいんじゃないかなというのが個人的な見解。

政府は市場経済に介入すべきか、否か。

大きな政府と小さな政府どちらがいいのかという話。

ちょっと資本主義と社会主義のどちらがいいかとかぶる部分もありますが、今回取り上げられるメインの人物がケインズとハイエク。

ケインズは政府が市場に積極的な介入がなければ、うまく回らないという論を唱える一方、ハイエクは市場に任せるべきであるという論を唱えています。

 

個人的にはケインズの発想大好き人間なので、介入せよという感じなのですが、ハイエクの論もすごく面白かった。

なぜかというと、ただ自由に任せるという放任主義ではなく、個人が成長することで成り立つという視点があるから。

要するに個人が自覚を持って成長し、積極的に状況の変化に対応していけばうまく行くという考えです。

 

確かにそれならうまくいきそうだし、国もすごい勢いでマッチョになっていきそうだけど、そんな理想は実現不可能なんじゃないかとしか思えません。

結局地に足がついていないように感じてしまいました。

したがって現実路線で考えるのであれば、市場への介入は必要不可欠に思えます。

科学技術の進歩と自然保護はどちらが大事なのか。

人々の文明は科学技術の進歩によってさせられてきた反面、その反動でどんどん自然が破壊されています。

この章ではその結果どちらを重視すべきかという話。

先進国に住んでいる僕らからすれば、自然保護の声が強く上がってきます。

しかし、これは発展途上国の視点で考えると、自然を破壊して成長してきた先進国が、急に俺らの発展を阻害して自然守ろうだなんてずるいよ!って話らしい。

 

これに関しては僕は科学技術の発展を重視すべきだと思いました。

これは自然を大事にしていないとかじゃなくて、自然も大事なんだけど、この二つは科学技術の発展が進むほど両立可能なんじゃないかと思うからです。

最近は次々にエコなテクノロジーというのが開発されているように思えます。

あと数十年もすれば太陽エネルギー発電でほとんどのエネルギーがまかなえるようになり、エネルギーすらほぼ無料で使えるようになるという説もあるくらいです。

そしてその太陽エネルギーは非常に自然に優しい。

ある程度の施設を設置するための開発は必要になるけども、火力発電のように二酸化炭素出しまくったりしないし、原子力発電のように毒が流出することもない。

てか開発なら水力発電も同じだし。

そんなわけで科学技術の発展の中で自然を守りながら発展する方法が見つかりそうというのが僕の考えでした。

 

こんな感じで色々と考える練習を与えてくれる本でした。

そして色々考えてみた結果、結局考えるという教養のために必要な学問は哲学なんじゃないかと思いました。

なぜ哲学が必要か?

考えるということはある程度の考えの引き出しを持っておく必要があります。

自分で考え方を網羅して生み出すなんて天才的なことができる人はほとんどいないからです。

自分で考え方を生み出せるのはすごいことですが、あらかじめ存在している考え方を引き出しに持っておけばもっと進んだ考え方を早く生み出すことに繋がるとも思います。

 

そんなわけで、基本的な哲学の考え方について、わかりやすく説明している本書はとてもためになりました。

そのわかりやすさは個人的には池上彰の経済の本を彷彿させるほどに感じます。

 

非常によかったので、ちょっと気になった人は読んでみた方がいいですよ!

特に社会人になりたてで教養ってものに興味がある人はすごく参考になるはずです。

以上、世界のトップスクールが実践する考える力の磨き方の感想でした!

おしまい。

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