こんにちは。いっとくです!
最近一度だけ読んで、しばらく本棚で眠っていた本を再読するのにハマっています!
昔読んだ本って、不思議なほどなんも覚えていないんですよね。
でも、小説とかだと覚えてないはずなのに、この伏線もしかしてこうなるんじゃね!?って頭にふと浮かんできて、本当にそうなるんですよ。
一度読んでるから当たり前じゃんって?
いやいや、本当に覚えていないから。きっとストーリー展開の一つのパターンとして脳に残ってたんでしょうね〜。
小説を読むと人間として思考とか感情とか言葉のの引き出しが増えるって言われています。
その情報は知識としては知っていました。
しかし今回、一度読んだ本を再読してみて初めて実感しましたね〜。
確かにストーリー展開のパターンとかが無意識のうちに頭に残ってたよ!
さて、前置きが長くなりましたが、今回読んだ本がこちら!
映画化もされている伊坂幸太郎さんの短編集!
「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」の4エピソードが収録されています。
映画版のフィッシュストーリーは観たことないし、伊坂さんの作品自体そこまで読んできていない超初心者ですが、これだけは言わせてください…
…めちゃくちゃ面白いー!!!
何がって、ストーリーのテンポと空気感の絶妙さが最高でした。
なんで大学生の時の自分はこんな面白い小説を読んだことを忘れてたの?バカだったの?と思えるくらいに良かった〜
というわけで、ちょっと感想について熱弁したい。っていうかさせてください。
絶妙な空気感が最高に気持ちいい作品たち
まず短編集なので、それぞれのエピソードはそれぞれ一つの作品として楽しむことができます。
「サクリファイス」と「ポテチ」に関しては同じ世界でのエピソードですが、別に内容として繋がっているわけではない。
全編を通して共通して思ったのは、会話や展開が絶妙にユーモラスなんですよねぇ。
「動物園のエンジン」とかはもはや何が表現したいのか全くわからなかったけど、なんか絶妙にくすぐられます。
スベるかスベらないかギリギリのギャグみたいな面白さです。爆笑をかっさらうんじゃなくて、会場には刺さってるけど、突発的に反応できないような。
でも、個人的に一番良かったのはやっぱり表題にもなっている「フィッシュストーリー」です。
これは、時間軸が別の視点で一つのエピソードが紡がれていくわけですが、全部読んだ後のカタルシスがすごい。
しかも、普通のカタルシスとはまた一味違うんですよ。
「あぁ〜!そういう展開ー!?やばー!!」とかそういうのじゃなくて、読み終わった後に「ふむふむそこで繋がっていくのね〜」と思った後に、じんわりとニヤニヤしちゃうような新しいタイプのカタルシスでした。
古い本に対して新しいカタルシスってなんやねんって感じですけど。
多分こういうタイプの本って僕が読んでないだけでたくさんあるんでしょうね。
全然別の時代で、別の登場人物視点で話が展開されていくのですが、それぞれ別時代の登場人物の影が少しずつ散らつき、それが噛み合い、最後には一つのレコードの無音部分の感想が世界を救っていくというストーリーが完成するわけです。バタフライエフェクト的な感じ。
でも、なぜかこうやって言語化して要約しちゃうと、奇をてらって作ったエピソードみたいな印象がちらついて陳腐なイメージになってしまうので、今書いたような大あらすじは忘れて、先入観のない状態で読んだ方が絶対面白いと思います!
じゃあ書くなよって話なのですが、どうしても熱弁せずにはいられなかったのです。
話の展開としては、どれもわかりやすいくらいにフィクションという感じ。
たまに小説とかで、世界のどこかにこの人たちがいるんじゃないかっていう気持ちがしてくるやつとかあると思うんですけど、そんな気持ちは全く起きません。
それほどまでに明らかにフィクション。
だけど、読んでて気持ちよくなるフィクションなのです。
リアルじゃないけど、わざとらしくなっていないバランス感が、本当に読んでて楽しい気持ちになります。ページをめくる指が止まりませんでした。笑
願わくばこのストーリーに関する記憶を消去して、これ伏線かな??って探りながら読みたいですわ。
ということでかなり面白いと思ったので、伊坂さんの他の作品も読んでみようかな〜。
「終末のフール」も本棚にあったような。
例にもれず、多分読んだけど、1ミリも思い出せないんですよね
でも、きっとそれくらいの方が読んでて面白いだろうからラッキー!!
以上、最近昔買った小説の再読にはまった結果、フィッシュストーリーがめちゃくちゃ面白かったという話でした!
おしまい!
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