なんかよくわからんけど桐島が部活やめるらしい|僕の夏休み読書感想文

桐島、部活やめるってよ 表紙小説

こんにちは。いっとくです!

お盆だったので昨日まで北海道に帰省していました。

8月に帰ったのは初めてだったのですが、寒くてビビる。

いつ帰ってもとりあえず羽織れるものは持って行こうと思ったのでした。

北海道はもちろん飛行で帰ったのですが、飛行機といえば結構待ち時間が長かったりするので本が必須です。

しかし、がっつり系のやつ読むほど時間がかかるわけでもないので、いつもサラサラ読める文庫本を買っています。

そこで買ったのがこちら!

桐島、部活やめるってよ 表紙
桐島、部活やめるってよ
著:朝井リョウ 出版:集英社文庫

かなり前に話題になって映画化もされた作品です。

タイトルもインパクトがあるから読んだことはなくても知っている人はたくさんいるんじゃないでしょーか?

実はこの本ずっと気になっていました。

というのも、僕が今まで読んだ本の中でもかなり影響を受けた「自分の言葉で人を動かす」という本の中でこのように紹介されているのです。

“桐島というバレー部のキャプテンが突然部活をやめるんだけど、最後まで桐島が登場しないんです”

…マジか!!!!

てっきり桐島というかなり重宝されていた人物が突然部活をやめると言い出し、それをチームメイトが熱い言葉やエピソードで止めて、最終的に「やっぱ俺、、、部活やめたくねぇっす!」って泣きながら言った後に、大会でいい感じの成果を残してヨカッタネ〜ってなるエピソードかとタイトルだけで勝手に想像していたんだけど、そもそも桐島が出てこないとな!?

これは、気になる…

というわけで、どれくらい桐島が登場しないのかをこの目で確かめてやるために本書を買いました

あと 実はもう一つ気になった理由があって、未来授業というポッドキャスト番組で著者の朝井リョウさんが出演していたのですが、そこで話していた内容がとても共感できる素晴らしいものだったので、これはきっと面白い話を書いているに違いないという確信を得たわけです。

結論から言うととてもめちゃくちゃ面白かった!

そしてやっぱり桐島は登場しなかった!!

朝井リョウさんとは年齢が近いと言うこともあって、繊細な表現やシチュエーションに関してもとても共感できる部分があります。

きっと2019年現在アラサーと呼ばれている世代にはドンピシャでハマる小説なんじゃないでしょうか!?いわゆるゆとり世代のど真ん中。

なるべく内容について、ネタバレは控えつつ魅力を伝えられればと思います!

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桐島、部活やめるってよの最大の魅力はスクールカーストの繊細な描写

バレー部のエースでありキャプテンの桐島

バレー部になくてはならない存在である彼が、部活をやめるらしいという噂が広まるところから物語は始まります。

彼がやめることによって、バレー部以外の人間までもがザワつき、それぞれの学生生活には変化が訪れます。

変化が訪れた学生たちの心理描写がなんとも絶妙な本書。

オムニバス形式でそれぞれの生活や変化が描かれていくのですが、個人的にすごいなぁと思ったのは、様々なスクールカーストの人物についてとてもリアルに描かれているということ。

誰もが気づいているけど、決して口にはしないスクールカーストという残酷な仕組み。

その序列は誰がランク付けしているわけでもないのに、誰も間違えたりはしません。どんなに勉強ができなくても、スクールカーストだけは敏感に感じ取っているのです。

僕は高校時代、スクールカーストでいうと、上の方でもなければ下の方でもない極めて中途半端なゾーンにいました。多分。

あれって不思議ですよね。確かに誰も間違わないんです。

そんなスクールカーストの上の人や下の人がどう考えて何を思っていたのかということが繊細に描かれている本書。

社会に出た今となっては割と無縁のことです。でも確かに学生時代には存在していたのです。

では、それぞれのグループにいた人は何を思っていたのでしょうか?

スクールカーストでは上に属しながらも、どこか空虚な思いを抱えている学生や、下にいてなるべく空気になろうとしているものの、自分のやりたいことや好きなことを見つけては目を輝かせている学生、スクールカーストにおいて下に下がってしまわないように自分を殺して周りに合わせている学生。

いろんな学生がいて、その気持ちをそれぞれ繊細に描写している「桐島、部活やめるってよ」は、読んでいて学生時代の気持ちが蘇るのと同時に、妙な納得感を感じてきます。

朝井リョウさんはこれを19歳の時に書き上げたと言うのだから驚きですが、逆に高校生と近い年齢の時に書いたからこそ、ここまで共感できるような作品になっているような気もします。

おそらく朝井リョウさん自身もスクールカーストのどこかに所属していたはずなのに、まるで全てを経験してきたんじゃないかと感じさせるほどのリアルな心理描写。

きっと恐ろしく鋭い観察眼で学生生活を眺めてきたんだろうなと感じさせられます。

なんというか確かに今まで感じ取ってきたような感情を見事に言語化してくれます。

もし気になった人はぜひ読んでみてください!特にゆとりと呼ばれている世代の方々!

映画化もされていますが、wikipedia見た感じだとちょっと内容が変わっているっぽいです

あと、お時間あれば先ほどちょっと書いた未来授業のインタビューとかを聞いてみても面白いと思います!

未来授業

朝井リョウさんの鋭い観察眼や、曖昧な感覚を言語化する能力の高さを感じることができると思います!

以上、いっとくでした!

夏休みなので懐かしい気分に浸るため読書感想文!

さよなら!

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